雨後
苗を濡らした五月雨を
置いてきぼりの雲が追う
つい今しがたまで
墨絵のようだった空気にも
色が還ってきたようだが
それさえ
葉末からこぼれる滴の音まで
聞こえてきそうな
いつもの静けさに戻っただけ
生きとし生けるもの
その営みをつないだこの地を
見つめてきた証人は
今なお黙して語らず
ただ風のままに
その身を揺らす
詩作・・・燗 正宗
(かん・せいしゅう)